The Sponge: Skyscraper To Collect Rainwater For Drinking And Farming In Africa (クリック)
eVoloのスカイスクレイパーコンペティション2021の奨励賞の作品。これは他の作品とは異なるとても興味深い作品だった。スカイスクレイパーのコンペなので塔を提案しなければならない。塔となると建物としての塔単体の建築案が多いが、これもそうであって、そうでもない。そうでない部分は塔を中心にした生活の場を含んだ提案になっているところ。そうである部分は提案しているのが塔の部分だけであるところ。矛盾した言い方かもしれないが、提案は、あえて塔を提供するだけに留めている。つまり都市計画ではない。
やり方としてはそこにある村の要素を分解して塔にまとめているだけだ。追加したのは塔の中央にある「水」のみ。生活の基本てきやり方は何も変えていない。塔があるからメンテナンス用にマネジメントは必要だが、行政の機能は追加していない。壮大な提案ではあるが出しゃばり過ぎる事に警戒している。
塔を建てるとどうしても無意識に都市のようなものを考えてしまう。そこを中心に何かが行われる。中心ができるとそこに人が集まる事もあってマネジメントが必要になる。マネジメントはつまり行政で、行政があるとそのコストを賄うために税金が必要だ。税金があり、すべき項目が多くなると配分を考えなければならず、代表者が選出されたり首長が出てきたりする。そうなると生活もこれまでと全く変わってしまう可能性があり、権力が集中し人はそれに従う事を要求されるかもしれない。
この案はそれを全く要求していないどころか、故意に避けている。素晴らしい作品だと思う。この作品で優勝できないとは!
建築と言う作業は「インターフェイス作り」と定義する場合もある。そのインターフェイスが何と何のインターフェイスかと言うのはあまりはっきりとは言われない。建物と人と言うし、人と人と言うのも一般的だ。建物と人であればそれは作る事が重要で、作りてのエゴのように感じられる事もある。人と人は言うまでもなく、異質の人どうしが出会って何かが起こるような事。よくある。この作品は生活とその具体的手段のインターフェイスだろうか? 自分としてはこの作品のようなインターフェイスが理想的と考えるのだが.. どうだろう?
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