2021/09/27

塔の作り方を考える

 塔の作り方を考えてみた。

塔と言う物は、横幅や奥行きよりも高さの方が何倍も大きい。だから高く空に向かってそびえ立つ形状になっている。

通常は周囲の建物よりも高くなるので皆が見る。機能的に高くなければいけない場合としては東京タワーのような電波を送受信するもの。横浜ランドマークタワーのように目立つ必要があるもの。敷地面積を可能な限り有効に使いたいためにタワー形状で建てられるオフィスビルなどの場合がある。

機能でなく、何かの象徴のような意味合いを持たせる場合にも塔が使われる。
たった1つの真理がある事を表現するためにも塔が使われる。宗教のような場合だ。この場合、その他の真理らしきものは全て排除され認められない。
また、権威を示す場合にも塔は使われる。現在の教育制度では学問は民主化された制度の基に行われているが、昔はそうではなかった。学問を修める建物の中央は高い塔とそこに時計が置かれた。これは学ぶ者達が1つの統一されたルールに権威によって管理されている事の象徴である。
教室の中では学生は教師に従わなければならない。教師は絶対的な真理を「授ける」者として扱われた。つまり、権威の執行代理人である。
となると、塔の最上部には真理を持つ絶対者が存在する可能性が出てくる。歴史の中ではたまにそうした事例がある。塔を作る場合には、このようにならないように注意しなければならない。

ではどうするのが良いか? 準を追って考えてみる。
どんなカテゴリー、セグメントの人も平等にアクセスできる必要がある。
塔はどうしても上方に伸びるので、人が上方へ向かう理由を考える。観光なら誰でも上がれると思うが、料金が発生した時点で平等が損なわれる可能性がある事も考慮しなければならない。(建設にもコストがかかるのでバランスが必要。)
上昇して向かう先はどうなっているのだろうか? 向かう先が1つであればそこでまたヒエラルキーが生じる可能性がある。そして人々をたった1つのスケールで評価して順に並ばせてしまう可能性もある。上方に伸びる線を1つとする必要は無く、多くのオプションがあっても構わないだろう。


そして出来たのが上図の右側である。下段には多くの入口があり多くの人々に開かれている。そして中央付近で混じり合う。上方にはヒエラルキーに従わないいくつかの部分があり、必要に応じて、または好みに応じてどこかに入る事ができる。最上部になる部分はいくつかあってそこに優劣は無い。また最上部に人が立ち、下を見下ろす事はない。


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