そうして次はどうやって生活を「見せる」かを考えた。初期の案はこれ。
最も奥の壁まで、そしてそこにある窓の光が導入できるように考えた。実際の寸法を考えないうちはこれはとても良い案に思えたが、寸法を置くようになるとこれはかなり難易度が高いとわかる。こうした実際のスケール感は経験で獲得するかCADで線を引きながらでないと難しい。
これも寸法を度外視して楽しいだけの案。できるだけ見せるために部屋のパーティションを山並みのようにしていろいろな場所や人が「見え隠れ」する楽しさを狙った。面白いのだけれど、団地のユニットで再現するには広さが足りないようだ。次は実際の図面の上に適当ながらも機能を置いていったもの。ベッドとバスを隠したい部分のコアとして考えている。ここからが寸法とともに検討を始めたもの。より現実的にするために床をフローリングのようにしているが、これは最終提案で使うつもりではなく、何となく感じをつかむためにやっている。初期はコアを部屋の中央にパーティション無しで置き、リゾートホテル風にしていた。しかしながら古い団地のユニットは天井高が低く、床下にも余裕が無い可能性があり、バスの排水をフロアの下に転がす事ができない可能性があるので断念し全てをサイドに寄せ、外壁に穴を開けて外配管とした。外配管であると外観上の見た目が悪くなる可能性があるが、メンテナンス性は上がる。
メンテナンス性は重要だ。このコンペのテーマに「未来」と言う言葉が入っているが、さて、未来とはいつの事? もしこの案が通ってスターハウスがこれ通りに改造されるとして、使われて10年か20年。また古いと言う事になった場合にどうするか? また同じように「スターハウスの未来」コンペが行われるだろう。そう、未来は固定された一時期の事ではない。長いのだ。だからメンテナンスが容易で次の未来とその次の未来のために今その責任を果たすのは良い事じゃないだろうか?
つづく
(この記事はリアルタイムでなく後日投稿しています。)
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